アンケート結果は、活用目的と読み手を明確にし、集計・可視化・分析・報告書作成の順で整理すると、意思決定に活かせる形にまとめられます。具体的な流れは、次の5つのステップです。
<アンケート結果をまとめる5つのステップ>
本記事では、集計から報告書作成までの具体的な進め方や、ツールを活用して業務を効率化する方法を解説します。自社に合ったまとめ方や運用方法を検討する際の参考にしてください。
あわせて、読み手が知りたい情報を整理し、優先順位を決めることも大切です。たとえば、経営層向けなら結論や課題、改善提案を重視し、現場向けなら詳細データや具体的な改善点を盛り込みます。
活用目的と読み手を明確にすることで、適切な集計方法やグラフを選びやすくなり、報告書の構成もスムーズに決められます。
| 集計方法 | 目的 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 単純集計 | 全体傾向把握 | 満足度調査 |
| クロス集計 | 属性比較 | 従業員調査 |
| 自由記述集計 | 意見把握 | 顧客アンケート |
目的に応じて集計方法を使い分けることで、回答者の傾向や課題をつかみやすくなります。なお、集計前には回答漏れや重複回答がないか確認し、データの整合性も必ずチェックしておきましょう。
単純集計(GT集計)とは、各設問の回答数や割合を集計し、アンケート全体の傾向を把握する方法です。
アンケート分析の基本となる集計方法であり、集計結果をシンプルに整理できるため、顧客満足度調査や従業員アンケートなど幅広い場面で活用されています。単一回答だけでなく複数回答にも対応しており、回答者全体の傾向を確認する際に役立ちます。
単一回答とは、複数の選択肢から1つだけを選ぶ回答形式です。各選択肢の回答数や割合を集計することで、どの回答が多いのか、全体の何割を占めるのかを確認できます。
複数回答とは、複数の選択肢を選べる回答形式です。各項目がどれくらい選ばれたかを集計することで、回答者のニーズや、どの項目への関心が高いかを把握できます。
クロス集計とは、回答結果を回答者の属性と組み合わせて分析する集計方法です。
年代や性別、部署などの属性と回答結果を組み合わせることで、どの層に特徴があるのかを把握できます。全体では満足度が高く見えても、特定の年代や部署では低いといった違いが見つかることもあります。
単純集計だけでは見えにくい傾向や課題を発見できる点が、クロス集計の特徴です。
自由記述やコメントは、数値だけでは把握できない回答者の本音や具体的な要望を理解するのに役立つ定性データです。
ただし、回答数が多い場合は、そのままでは全体の傾向をつかみにくいため、似た内容ごとにカテゴリー分類して整理する必要があります。
たとえば、「価格への不満」「サポート体制への要望」「機能面の改善希望」などにグループ分けすると、共通する課題やニーズが見えやすくなるでしょう。
自由記述の集計には手間がかかるうえ、担当者の主観で分類が偏ることもあります。そのため、どのような回答を各カテゴリーに分類するか、あらかじめルールを決め、同じ基準で整理することが大切です。
また、細かな数値を正確に伝えるには、グラフだけでなく表も活用することがポイントです。両方を併用することで、全体の傾向と具体的な数値をあわせて伝えられます。
アンケート結果の可視化に用いられる主なグラフと、それぞれに向いている用途は次のとおりです。
| グラフ | 向いている用途 | 活用例 |
|---|---|---|
| 円グラフ | 割合や構成比を示す | 満足度調査 |
| 棒グラフ | 項目ごとの比較 | 複数回答設問 |
| 帯グラフ | 複数項目の構成比を比較する | 年代別満足度 |
| 折れ線グラフ | 時系列の変化を表す | 定点調査 |
| レーダーチャート | 複数項目を比較する | サービス評価 |
円グラフは、単一回答の割合や全体に占める構成比を示すのに適しています。一方、複数回答の件数や項目ごとの大小を比べる場合は、棒グラフのほうが差を確認しやすいでしょう。
年代別や部署別など、属性ごとの差(クロス集計の結果)を並べたい場合は、帯グラフが適しています。
見やすい資料にするには、グラフを増やしすぎず、伝えたい情報を絞ることも大切です。作成する際は、次のポイントを意識しましょう。
読み手が知りたい情報を意識して整理することで、アンケート結果の要点が伝わりやすい資料になります。
アンケート結果を分析する際は、数値データだけで判断せず、自由記述も組み合わせて確認することが大切です。
例えば、「満足度が低い」という結果が出ても、数値だけではその理由まではわかりません。そこで役立つのが、回答者の本音や具体的な要望が含まれる自由記述です。
「価格が高い」「問い合わせへの対応が遅い」などのコメントと定量データを照らし合わせることで、結果の背景が見えやすくなります。
<定量データと自由記述の対応例>
| 定量データ | 自由記述(定性データ) |
|---|---|
| サポート対応の満足度:2.8/5.0 | 「問い合わせの返信が遅い」 |
| 価格満足度:3.1/5.0 | 「料金に対して機能が少ない」 |
この例からは、問い合わせへの返信の遅さや、料金に見合う機能が少ないという不満が、それぞれの満足度を下げている可能性が読み取れます。このように、定量データと自由記述を組み合わせて分析することで、「なぜその結果になったのか」をより具体的に把握できます。
アンケート結果を分析する際は、全体の平均値だけでなく、想定と異なる結果(異常値)や属性ごとの差にも注目することもポイントです。
このような結果は、課題を見つけるヒントになります。
また、クロス集計を活用すれば、全体の数値だけでは見えにくい傾向も把握することが可能です。異常値や属性ごとの差を丁寧に確認することで、優先的に対応すべき課題を特定しやすくなります。
分析結果は、具体的なアクションにつなげてこそ価値を発揮します。そこで、「結果」「原因・考察」「改善策」の順に整理しましょう。
<結果分析の整理例>
| 結果 | 原因・考察 | 改善施策の例 |
|---|---|---|
| 30代の満足度が低い | サポート対応への不満が多い | 問い合わせ体制を見直す |
| 「価格が高い」という意見が多い | 価格に対する価値が伝わっていない可能性がある | サービス内容の説明を強化する |
| 特定機能への要望が多い | ニーズが高い機能と考えられる | 機能改善を検討する |
このように整理することで、アンケートを実施して終わりにせず、結果を意思決定や業務改善に活かしやすくなります。
アンケート結果報告書は、読み手が調査の全体像と次のアクションを把握できる構成にすることが重要です。特に、忙しい経営層や管理職向けの資料では、結論や要点を冒頭に示しましょう。
基本構成は、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | 調査名や実施時期 |
| 調査概要 | 目的、対象者、回答数、実施期間 |
| サマリー | 重要な結果や結論 |
| 詳細データ | 集計結果やグラフ |
| 考察 | 結果からわかったこと |
| 改善提案 | 今後の施策やアクション |
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わかりやすい報告書を作るために、次のポイントを意識しましょう。
また、経営層向けの資料では結論や提案を中心に、現場向けの資料では詳細データを充実させるなど、読み手に合わせて情報量や見せ方を調整することもポイントです。
集計だけでなく、グラフ作成や分析、報告書作成まで行うには、多くの工数がかかります。特に、回答数や自由記述が多いほど担当者の負担は大きくなります。
ここでは、作業内容に応じた効率化の方法を紹介します。
<効率化の方法>
| 方法 | できること |
|---|---|
| Excel | 単純集計、クロス集計、グラフ作成 |
| Googleスプレッドシート | データ共有、共同編集、グラフ作成 |
| Googleフォーム | アンケート作成、回答収集、簡易集計 |
| PowerPoint | 報告書やプレゼン資料の作成 |
| AI(ChatGPTなど) | 自由記述の要約、分類、レポートの下書き |
| アウトソーシング | 集計、分析、グラフ作成、報告書作成 |
Excelは、アンケート結果の集計や分析、可視化を効率化できる代表的なツールです。次の機能を活用すれば、手作業による負担を減らせます。
回答数が少ない場合や、同じ形式で定型的に実施するアンケートの集計であれば、Excelだけでも十分に対応できます。
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GoogleフォームとGoogleスプレッドシートを活用すれば、アンケートの回答収集から集計、共有までを効率化できます。Googleフォームで収集した回答は自動的にスプレッドシートへ反映されるため、転記や手入力の手間を減らすことが可能です。
また、複数人がリアルタイムで同じデータを確認・編集できるため、チームでの共同作業も進めやすくなります。特に、社内アンケートや顧客アンケートなど、定期的に実施するアンケートの運用に適しています。
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PowerPointを活用すると、アンケート結果の報告書やプレゼン資料を効率的に作成できます。主なメリットは次のとおりです。
ExcelやGoogleスプレッドシートで作成したグラフや表を活用することで、アンケート結果を視覚的にわかりやすく伝えられます。
AIを活用すると、自由記述の要約やコメントの分類にかかる作業を効率化できます。主な活用例は次のとおりです。
ただし、AIの分析結果には誤りや偏り(ハルシネーション)が含まれる可能性があるため、最終的には人の目で確認することが重要です。特に、自由記述の分類や分析・考察では、AIによる処理と人による確認を組み合わせることで、精度と効率を両立しやすくなります。
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アンケートの回答数が多い場合や、分析・報告書作成に十分な時間を割けない場合は、アウトソーシングの活用が有効です。外部の専門人材には、次のような作業を任せられます。
これらの作業を外部に任せることで、担当者の負担を軽減できます。その結果、分析や意思決定などのコア業務に集中しやすくなり、業務全体の効率化にもつながります。
ただし、外部に回答データを共有することになるため、委託先選びには注意が必要です。回答数が多い調査や機密情報を扱う調査では、アクセス権限の管理やダブルチェックなど、セキュリティと品質管理の体制が整っているかを確認しましょう。
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まず、お客様からアンケートの元データをご共有いただき、集計・グラフ化する項目を確認します。次に、依頼内容に沿って作業を行い、完成データを提出。その後、お客様に確認いただき、修正やフィードバックを反映します。
煩雑な集計や可視化を任せることで、担当者は分析結果をもとにした企画や施策の検討に集中できます。さらに、表やグラフの企画書への貼り付けまで追加で依頼できるため、資料作成にかかる手間も軽減可能です。
A. アンケート結果は、次の5つの手順で整理すると、わかりやすくまとめられます。
アンケートは集計するだけで終わらせず、分析結果を改善施策や意思決定につなげることが重要です。
A. 自由記述の回答は、内容ごとにカテゴリー分類する「アフターコーディング」を行い、各カテゴリーの件数や傾向を整理して集計します。
例えば、「価格への不満」「機能への要望」「サポートへの評価」など、似た内容をまとめて分類します。さらに、頻出キーワードや共通する意見を抽出することで、回答者が抱える課題やニーズを把握しやすくなります。
A. アンケート結果の内容によって適したグラフは異なります。主な使い分けは、次のとおりです。
伝えたい内容に応じてグラフを使い分けることで、アンケート結果をわかりやすく伝えられます。
A. はい、Excelでもアンケート集計は可能です。
関数やピボットテーブルを使用すれば、単純集計やクロス集計、グラフの作成まで行えます。選択式の回答が中心で、同じ形式のアンケートを定期的に集計する場合は、Excelでも十分に対応できます。
ただし、回答数が多い場合や自由記述の分析が必要な場合は、作業が複雑になりがちです。その際は、専用ツールやアウトソーシングの活用を検討するのも1つの方法です。
A. はい、アンケートの集計・分析・報告書作成は外注できます。サービスによっては、回答データの入力やクロス集計から、自由記述の分類・分析、グラフ作成、PowerPointによる報告資料の作成まで一括で依頼可能です。
これらの作業を任せることで、担当者は分析結果をもとにした施策の検討や意思決定に集中しやすくなります。社内リソースが不足している場合や、大量の回答データを短期間で処理したい場合に有効です。
ただし、大量の回答や機密情報を扱う場合は、作業工数が増えるだけでなく、集計ミスやセキュリティ上のリスクも高まります。社内だけで対応することが難しい場合は、集計から報告書作成までを外注するのも有効な選択肢です。
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